5月18日 手術日の朝。
昨夜はウトウトしては目が覚めてを繰り返し、結局朝4時には起床した。
とりあえず歯磨き洗顔・・・と思って洗面所へ行くと、
昨日麻酔の説明を一緒に聞きに行ったオネエサンが居た。
卵巣がんの彼女も今日が手術だ。
『寝られませんでしたよね~。』
顔を見合わせて苦笑し、ちょっと気持ちが和む。
卵巣は腸に近いからか、開いてみて癒着していたら人工肛門になるそうだ。
目が覚めたら人工肛門になっているかも・・・って、
めちゃくちゃ怖いですやん!!
お互いの健闘を祈った後、部屋へ帰る。
病院の硬いベッドで強張った身体を体操でほぐし、
お茶を飲んでぼ~っとし、
前日に渡された手術着に着替えてみる。

形はこんな感じで淡いグリーン、
肩と腋にピンクのラインが入っていてちょっとお洒落なデザインだ。
それにひざ下までの白い着圧ソックスを履いて完了。
(写真撮っておけばよかった)
7時きっかりに担当ナースと研修ナース2人がお迎えに来た。
貴重品を鍵付きの引き出しに入れ、鍵を預ける。
手術室までは自分の足で歩いて行く。オムツを持って。
『緊張してますか?』
『いや、やっと楽になれるから早くやって!って感じです。』
『すごいですね!落ち着いてますね~。』
みんなどんな感じなんやろ?
私だって怖いけど、やらなきゃもっと怖い事になるからな。
最近完成したばかりの中央手術棟へ到着した。
入口の自動ドアの奥にもう一つ自動ドアがあって、
その前でシャワーキャップみたいなのを被らされる。
自動ドア横のインターホンでナースが連絡すると、
中からドアが開いて別のナースに引き継がれた。
ここから先は無菌状態になっているので誰でも入れないらしい。
広い通路の両側に大きな手術室の扉が幾つも並んでいる。
めちゃくちゃ広っっ!!
『今日手術15件ありますけど、Tさんはトップバッターですよ。』
うん、何だかありがたい。早く済んでしまいたい。
手術室は広くて寒かった。
いや、暑がりな上緊張してたから温度は丁度良かった。
色んな機械がずら~っと並んでいて、天井には

テレビなんかで見るコレ(形は三角だった)が明るい。
うわ~手術室や!
と少し興奮していると幅の狭いベッドに寝かされた。
担当研修医のTちゃんと目があって少しホッとするが、
見た事無いほど真剣な目だったので慌てて気を引き締める。
大学病院故に研修医も居るので、何かすごい人数が居る・・・
その中に女性もそこそこ居たのは安心できたけど。
そしてまずパンツを脱がされる(当たり前だが)。
いきなり恐怖の硬膜外麻酔からいくんですね。
手術着のピンクのラインに沿って付いているスナップボタンを外され、
服が前と後ろで真っ二つになった。こりゃ便利だな。
ほ~と思っていると背中全面に消毒液をビッシャビシャにかけられる。
『横向きに寝て背中を思いっきり丸めて下さい。』
腰から局部麻酔の注射が入って来た。
何とも言えない深い痛みが一瞬身体を突き抜けた後、
すぐに麻酔薬が注入されて痛みは無くなった。
『今から硬膜外麻酔の管を入れていきますね。』
痛みは無くとも何かが背中の中を通っていくのは感じられる。
気持ち悪ぅ~~💦
何だかんだで背中の真ん中より上まで入れられたと思う。
そして広い範囲に固定のテープをベタベタ貼られて終了。
再び仰向けになり、心電図等を取り付ける。
研修医の男子は『すいません』と言いながら
恥ずかしそうに私の胸をはだけて作業していたが、
コチとらもうとっくに無の境地である。
オバハンの事は気にせんでええよ。好きにしておくれや。
いよいよ全身麻酔の点滴を注射される。
口にカパッと被せられるヤツかと思ってたのに違うのね。
針が太いせいもあるが、ド緊張の研修医男子よ、
痛すぎるぞ!!
がっちり圧力をかけて貼られた針固定テープが痛みを増幅させている。
いやちょっと待って、これ痛すぎん!?
オマエ顔覚えたからな。
文句言う間も無く、
『すぐに眠くなりますからね~。』と声が。
あ、ホンマや・・・
瞼が閉じようとするのを抑えられない。
深い水の底に沈んでいくような感じで眠りに落ちた。

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